第8話 夜会話
第8話夜会話 |
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ミレット:アスナージ・・・すごく、苦しそうだったね ロスト:ああ、それなのにまた・・・俺たちは何もできなかった ミレット:なんとか出来ないのかな?あんなに苦しんでいるのに・・・殺してなんて言われてもそんなこと出来ないよ・・・ ロスト:それも、スカールの狙いの一つかも知れない・・・ ミレット:えっ? ロスト:死なせないように戦うのは死なせてしまうことよりずっと難しい。自分たちと互角か、それ以上の相手を死なせずに倒すなんて至難の業だ ミレット:それに、親友が相手じゃやっぱりロストも戦いにくいよね? ロスト:親友?何か勘違いしているようだが・・・俺たちは別に親友なんかじゃないぞ ミレット:えええええっ!!?でも、アスナージは親友だって・・・ ロスト:あいつは、俺にとって数少ないケンカ友達だ。口論も多かったし、時には殴り合いのケンカもしてきた仲だ ミレット:そうかぁ、ケンカ友達なのね・・・なんだかうらやましいな ロスト:うらやましい??? ミレット:だって、ケンカするほど仲が良いって言うでしょ? ロスト:さぁ、本当に仲が良いならそれほどケンカしないと思うが ミレット:私は、ケンカとか怖いもの・・・上手に仲直りとか出来なさそうだし ロスト:別に仲良くもない相手ならケンカ別れでもいいんじゃないのか?物別れに終わったとしても縁があれば、そのうち巡り会う。人の縁なんてそういうものじゃないのか? ミレット:そういうもの・・・なのかなぁ? ロスト:この腐れ縁がまだ途切れていないならまた機会が訪れるはずだ。今日はダメでも、次こそアスナージのヤツをなんとかするぞ ミレット:そうね、スカールを止めるにも大きな障害だものね ロスト:それにアスナージは、お前の大切な婚約者でもあるわけだしな ミレット:婚約者だなんて、そんなのお父様が勝手に決めた話よっ!!! ロスト:あいつと結婚・・・しないのか? ミレット:まだ恋だってしてないのに!!結婚なんてそんなのわからないわよっ! ロスト:じゃあ、どうしてお前はあいつを助けようとしてくれるんだ? ミレット:それは・・・きっと、私たち似ていたんだと思う・・・。あの人は石化の力、私は氷の力・・・人を傷つけてしまう力を持つ者同士。外に出ること、人に触れることがどれだけ怖いことなのか・・・同じ恐怖を知るもの同士だから放っておけないだけなのよ、きっと ロスト:似たもの同士か・・・。同じ痛みをわかってやれるというのはちょっとうらやましいかもな ミレット:わかろうとしてくれるだけで十分だと思うわ ロスト:だが、わかろうとしてもわからないことだらけのままだ ミレット:わかったつもりになって勝手に断定されたりするよりわからないけど、わかりたいって思い続けてくれる方が私は好きよ ロスト:ミレット・・・つらいだろうけどもう少し頑張れるか? ミレット:もちろん!貴方も一緒だから大丈夫だよ。どんな逆境でも、一人じゃなくて二人ならもっと頑張れるはずでしょ?ねっ、ロスト ロスト:ああ、そうだな・・・一緒に頑張ろう、ミレット そうだな、俺は一人きりじゃない |