第5話 夜会話
第5話夜会話 |
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ミレット:なんだか大変なことになっちゃったね・・・ ロスト:ああ、嫌な予感はしていたがまさかベルガードが石にされていたとはな ミレット:それだけじゃないよ!紅翼の七騎士団が・・・アスナージが私たちの命を狙うなんて ロスト:なぁ、そのアスナージってどんなヤツだったんだ?俺の親友だったらしいが俺にはその記憶がなくて・・・お前は、あいつの婚約者だったんだろ? ミレット:婚約者っていっても親同士が勝手に決めた話だもの。私は体が弱くて寝込んでばかりだったし、あの人も騎士の仕事で忙しかったし ロスト:そうか ミレット:でも、悪い人ではないと思うわ。いつも、グライベルのこれからについて話していた人だから正直、話を聞いている時は退屈で仕方なかったけど・・・ ロストト:退屈? ミレット:だって、いろいろ意見を求められても私・・・何もわからないのに・・・。だから、あの人のことすごくキライだった・・・ ロスト:もしかして、俺との話も退屈だったりするのか? ミレット:今はもう大丈夫よ。何も知らなかったあの頃とは違うから。今ならわかるのにな・・・あの人もすごく悩んでいたんだって ロスト:あいつが革命を選んでしまったのはお前の責任じゃないだろ? ミレット:でも ロスト:責任があるのは俺の方だ。俺は紅翼の騎士で、あいつの親友だったらしいからな・・・。公私ともに支えてやるべき人間が本当の体をどこかに無くした上に記憶喪失で親友の顔も思い出せなくなっているんだぞ?本当に親友だったというならなんてザマだと思うよ・・・ ミレット:そんなことないよ!ロストは今も一生懸命じゃない!顔も思い出せない相手のことなのに心配しているんでしょ? ロスト:心配というより責任を感じているだけだ。最悪の場合、俺がこの手であいつを終わらせるつもりだ・・・ ミレット:終わらせるって、まさか ロスト:公式記録では死んだものとされている俺がやるのなら ミレット:そんなの絶対に駄目よ!!! ロスト:ミレット・・・。そうだよな、すまない・・・。あいつはお前の婚約者だったんだよな ミレット:そういうことじゃなくて殺す殺さないがすべてじゃないでしょ! ロスト:相手は紅翼の七騎士団の団長だ。殺す覚悟でなければ勝利などない。話し合いによる和解が出来ないのならそうするしかないだろう? ミレット:そうするしかなかったら仕方がないって納得できるの? ロスト:・・・・・・。もし、そういうことになった時は俺を恨んでくれて構わない ミレット:ロストの馬鹿っ!!貴方は何もわかっていないわ!私たちは、革命派を止めに行くの!始末しに行くわけじゃないわ!確かに貴方は、記録上では亡霊なのかもしれない・・・でも、人の過ちを裁くのは人でも亡霊でもなく法であるべきよ! ロスト:ミレット・・・ ミレット:だから殺さないで・・・そんなことをしたら後悔するわ。貴方にとって大切だった人たちの血で貴方の手を汚したりしないで・・・ ロスト:・・・・・・。まったく、無茶を言うな・・・。敵は恐ろしく強い奴らなんだぞ? ミレット:貴方だってすごく強いわ、それに私だって負けないくらい強くなったのよ。私も、貴方と一緒に戦うんだから信じてよ・・・。そんな道を選ばなくてもきっと大丈夫だって ロスト:ありがとう、ミレット・・・。俺も、もう少しお前を見習おう。悲観的になって答えを急ぐのではなく諦めたりしないで頑張ってみる ミレット:うん・・・一緒に頑張ろう。二人一緒ならきっと負けないはずだよ 信じるか・・・ 失ってしまった多くのものを必ず取り戻して見せると・・・ |