第7話 夜会話
第7話夜会話 |
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ミレット:子供たちが無事でよかったわね ロスト:ああ、そうだな ミレット:でも、びっくりしたわ。子供たちがあんな風に考えてくれていたなんて・・・ ロスト:ああ、俺たちなら災いの剣の復活を阻止出来ると信じて。あいつらも、あいつらなりに戦おうとしてくれている・・・ ミレット:うん、その気持ちを裏切らないためにもしっかり頑張らなくちゃだよね! ロスト:意気込むのはいいが無理に頑張りすぎるなよ? ミレット:そんなこと言っても、今は無理にでも頑張らなきゃダメな時よ!私、今までずっと守られてばかりでいつも誰かに迷惑かけてばかりでこんな私なんかに、生きる意味なんてあるのかなって思っていたけどこうして、自分じゃない誰かのために私も頑張れることがスゴク嬉しいの! ロスト:ミレット・・・ ミレット:今まで、何かしてもらうばかりで何も帰せないことが悔しくて悲しくてものすごーく、悶々とした気持ちで毎日を過ごしていたけど生きるってこんなに楽しいことだったんだって、今ならそう思えるの! ロスト:そうか・・・ ミレット:もちろん楽しいだけじゃなくて悲しいことや辛いこともあったけど。でも、ロストがいてくれたからここまでこれたんだと思うの ロスト:俺っ? ミレット:うん、ロストって最初はちょっと変な人って思ったけど慣れてくると、実はすごく優しい人なんだなってわかってきて側にいるのがすごく居心地良くなるんだよ? ロスト:別に・・・居心地なんか良くない方がいい ミレット:もう、どうしてそういう可愛くないことを言うかな? ロスト:愛しさが募るほど別離の悲しみは酷いものだって聞くぞ?片割れを失った、つがいの鳥は空を飛ぶ気力さえ奪われる・・・。そんな絶望を還すだけなら、俺は誰かの居心地よい場所にはなりたくない ミレット:そんなの、もう手遅れですっ!みんな貴方のことが大好きなのよ!それに、別れが嫌なら長生きしようって努力をすればいいだけのことでしょう? ロスト:不意に訪れた不幸がすべてを奪い去ることもある・・・ ミレット:だったら、出会えて良かったって思えるものをたくさん残せばいいわ!失う悲しみより、出会えたことで得た大切なものがたくさんあればたとえ辛くたって、これからも生きていかなきゃって思える・・・ ロスト:お前なら、そう考えるのか? ミレット:ええ、そうよ!きっと、傷が思い出になるまでは何度も泣きそうになるけど泣きたくなるくらい大好きな人に出会えたって、とても大切なことよ!それをなかった方がいいなんて私はそんなのイヤっ! ロスト:そうか、そうだな・・・ミレットの言うとおりだな ミレット:もう、ロストは何でも難しく考え過ぎよ ロスト:仕事柄、最悪の状況を想定しておくことがクセになっているんだよ ミレット:そんな風に考えてばかりいるから眉間にシワがよりやすくなるのよっ。それに、なくすのが怖いからなんて臆病者の答えだわ。騎士様なら、なくさないように俺が守り抜くって意気込みが大切よ! ロスト:なんだか、俺よりお前の方がいい騎士になれそうだな? ミレット:ねぇ、大丈夫?やっぱり、今日のロスト・・・なんだかちょっと変だよ? ロスト:何を今さら。最初から、ちょっと変なヤツだって思っていたんだろ? ミレット:もう、心配しているのに・・・ロストの馬鹿っ 後ろ向きになりかけていた俺の胸にミレットの言葉が熱く響いた |