第2章 夜会話
第2話夜会話 |
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ミレット:あっ、ロスト ロスト:ミレット?こんな時間に何をしている ミレット:うん、ちょっと・・・なんだか眠れなくて ロスト:そうか・・・ ミレット:ほんと、こんなことになるなんてお互いビックリだよね?体が魂が抜け出しちゃって今のこの体は偽者だなんて・・・ ロスト:・・・怖いのか? ミレット:うん、すごく怖いよ。だって、「懐魂病」って大怪我とかで死にそうになった人がなるものでしょ?こうなる前に、何があったのか思い出せないし・・・。私、あまり体が丈夫じゃなかったからやっぱり発作を起こして・・・とか。自分がどんな風に死にかけたのかなんて、想像したくないのに。いっぱい、怖い想像が止まらなくなっちゃうのよね。 ロスト:瀕死の状態こそが「懐魂病」の原因か・・・。騎士である俺が死にかける場面といったら、やはり・・・ ミレット:やはり? ロスト:巨大な魔物に追いかけ回され食べられそうになったとか・・・ ミレット:いやーーー!怖いこと想像させないでっ! ロスト:目が覚めたら魔物の腹の中とかはさすがに嫌だな・・・ ミレット:やめて、やめてっ!夢で見そうで怖いわっ! ロスト:それよりも、一番心配なのは騎士なのに、敵に背中を向けて倒れていたら格好悪くて最悪だな・・・ ミレット:心配するのはそこなの!?もっと違うことを心配しましょうよ! ロスト:俺にも記憶があれば・・・もう少しマシな想像もできそうだが今は、これくらいしか思いつかない ミレット:あっ、そうか・・・。ロストは記憶が丸ごとないのよね? ロスト:ああ、頭の中に霧がかかっている・・・そんな感じだ ミレット:ちょっと思い出せないだけでももやもやしてイヤな気分なのに。そうよね、ロストの方がもっと大変なんだよね・・・。でも、記憶がないのにあんなに強いなんて。やっぱり、ロストってすごいのね ロスト:俺が、すごい? ミレット:うん、私は素人だから剣術のことはよくわからないけど、それでもロストの剣術ってすごく格好いいなって感じるよ ロスト:すごいのはミレットの方だろう?騎士だった俺とは違いお前は戦いに関して素人だったはずだ。よく頑張っているしその頑張りを、すごいと思う ミレット:すごくなんかないわ。ただ一生懸命だっただけよ。早く元の体に戻って目を覚まさないと。また、お父様に心配をかけてしまうから・・・ ロスト:ミレット・・・ ミレット:ああ、心配しなくてもいいのよ。私はもともと病弱だったから。魂が離れて昏睡状態だったとしても普段とそんなに変わらないわ ロスト:それは、それで心配な気がするが・・・ ミレット:私のことより、今は自分のことをなんとかしないと駄目よ!ロストは必要とされる人だから早く元の体を取り戻さなくちゃ。きっと貴方を必要としている人たちが貴方の帰りを待ってるはずよ、ね? ロスト:本当に、そうなのだろうか? ミレット:えっ? ロスト:もしかしたら、俺が・・・領王を暗殺した犯人かもしれない ミレット:ロスト・・・ ロスト:俺には記憶がない、だが・・・記憶を取り戻した時、俺は・・・ ミレット:大丈夫よ。ロストはそんな人じゃないわ ロスト:・・・・・・ ミレット:まだ出会って間もないけど私、貴方が優しい人だって信じてる ロスト:そうか・・・。ありがとう、ミレット。俺も、俺をはげましてくれたお前のことを信じ、支えていこう。共に戦い、子供たちの願いを叶え共に日常へと帰るために・・・ ミレット:ええ。それじゃ、これからもよろしくね、ロスト! ロスト:ああ、こちらこそよろしく頼む そうだな、俺は・・・ 俺を信じてくれると言った |